初体験! バス運転記その2

いよいよ、体験運転が始まった。
おのやんは8人グループの中で8番目であったため、順番が来るまで他の参加者の運転を観察することにした。
席は左側中央あたりを確保した。左折の腕前を見たかったのだ。

トップバッターがシート調整をし、シートベルトをしようとしたが、ベルトが見あたらない・・

指導員曰く、「古いバスなので、シートベルトは無いんですよね〜」
乗っていた者一同、思わず笑ってしまう。

エンジンはかかっているので、シフトレバーを2速に(大型車なので)入れ、出発だ!

現在、路線バスはシフトレバーは単なる電気スイッチと化しており、エアーの力を使い、ギアチェンジをしているのがほとんどである。

しかし、今回運転するバスは、年季の入ったバスのため、シフトレバーは床から伸びている長い物である。ダイレクトにギアに繋がっているタイプだ。
昔は路線バスもこのようなシフトレバーが主流であった
おのやんは、幼い頃の記憶が思い浮かぶ・・。
それは、運転士が、左足で何かを2回踏んで(実はクラッチ・・ダブルクラッチか?)、長〜い棒(シフトレバー)を振り回して加速していった・・様子である。
幼い頃は、アクセルとブレーキは分かったが、なぜ、第三のペダル(クラッチ)が存在するのか、どうしても分からなかった・・

さて、最初の参加者は普通免許しか持っていないようで、なかなか発進できなかったが、一度動き出すとディーゼル車のトルクのおかげでなんとかエンストせずに走り続けていた。

最初のカーブに近づき、減速する・・しない!

おいおい良いのかこんなスピードで?と思うような速さでカーブに進入した。さすがに大型車特有のブレーキフィーリングは難しいらしい(だって、踏んでも、最初は全然効かないからなぁ)

加えて前輪が自分の席よりも遙かに後ろにある構造のおかげで、慣れないとハンドルを切るタイミングがどうしても早くなり、後輪が、思いっきりセンターラインを踏んでしまう=対向車線はみ出し・・(教習所なら絶対補助ブレーキだな)

幸い、この日は場内はバス3台しか走っていないので、思いっきりラインを無視した運転もできてしまう。

この参加者はまだ若く、普通免許しか持っていない。加えてトップバッターと言うこともあり、かなり緊張していたに違いない。

左側に壁のある交差点を左折する場面になった。(図)
乗用車間隔でハンドルを切ると壁にぶち当たるぞ〜と思いながら見ていると、案の定、ハンドルを切るタイミングが早すぎる!!

おうっぉお〜! バスの左側の椅子に座っていたおのやんの目の前を壁が通過していった。ぶつかる寸前だった。

おのやんは、ふと、「バスや施設に損傷を与えた場合は実損額をいただきます」との参加者向けの案内の一文が頭をよぎった。

また、クランクも通るのだが、やはり慣れていないとハンドルを切るのが早く、曲がろうとする側の後輪が縁石に乗り上げていまう。

ハンドルを切るタイミングはやはり練習しないと分からないよなぁ。とおのやんは同情していた。

いろいろあったけど、最初の参加者がおわった。お疲れさまでした。

みんな同じような運転技術だったが、一人だけ大型二種免許所持者がいて、彼だけは運転技術はあった。

しかし、技術を持っている=バスの運転に向いているという図式が成り立つかと言えばそうでもない

彼の運転は加速もすさまじいし、カーブ手前で減速するときのタイミングも遅く、乗っていて怖かった

やっぱりバスは、まったりと走ってこそ、バスだと思う。

そして、いよいよおのやんの順番になった。いっちょ手本を見せてやろうか。

(作成中)