初体験! バス運転記(文字が多いのはご容赦ください)

平成15年12月6日、午前6時

おのやんは、名古屋駅の西口にある、開店して間も無いビックカメラ名古屋西店の前にいた。

目玉商品を買うために来たのではない。バスに乗るために来たのだ
今日は国際興行バスが企画した
「夢のバス運転体験ツアー」の日。その集合場所がビックカメラの店の前だったのである。

それにしても午前6時とは普通の観光旅行の集合時間にしては早すぎる。それには理由があるのだ。

当初出発地は東京と名古屋の2個所を予定しており、名古屋を7時位に発つ予定であった。
しかし、参加者が最低催行人員をわずかに下回る結果になってしまい、急遽、東京発のバスが名古屋、大阪からの参加者を乗せる工程になり、集合時間が早まってしまったのである。

それにしても午前6時に集合とは厳しすぎる。JRの始発に乗ってギリギリだった。
よっぽどキャンセルしようかと思ったが、
次回のツアー自体開催されるかどうか怪しかったので、後悔しないよう参加を決意したのだ。

そもそも、このツアーは、自動車練習所(教習所ではない)を1日借り切って、その中でバスを運転させるという内容である。普通免許だけでも参加可能なので、内容自体はまぁまぁだと思うのだが、開催場所が問題である。神戸なのである。

ポートピア’81を覚えているだろうか?海上を埋め立てたポートアイランドに各パビリオンが立ち並び、大盛況に終わった地方博である。おのやんも一度だけ出かけた。
そのポートアイランドにある練習所までバスで行き、一人約15分程度バスを運転し、とんぼ返りする強行軍である。とてもバス好きでなければ尻込みしてしまう日程である。なぜ神戸でしか開催されないかは、後で判明する。

第1回は予定人数を大幅に上回る40人以上が参加し、キャンセル待ちもかなりあったようである。
その結果、今回の第2回が企画されたわけであるが、目論見は大きく外れ、催行実施ギリギリの20人ちょっとしか参加者は集まらなかったらしい。
こんな訳なので、第3回が開催されるかどうかは分からない

しかし、バスを運転できる機会は滅多に無いと思うので、結構人気が出ると思うのだが・・開催日を吟味して、ぜひ第3回も開催してほしいと思うおのやんである。

果たして、東京参加者を乗せたバスは既に名古屋に到着しており、係の人が名古屋参加者の集合を待っている状態であった。
受付を済ませ、指定された席に座る。幸か不幸か参加者が少ないおかげで窓際で、隣の席は空いていた。隣には大阪からの参加者が乗り込む予定らしい。

東京からは夜行バスの形で来たので、カーテンは閉まっている。後部に座っている東京組は、まだ寝ているようだ。12月ということもあり、午前6時だが、まだ真っ暗である。

今回東京〜神戸を走りぬけた伊勢国際観光バス

名古屋参加者が乗り込んだのを確認し、午前6時20分ごろ出発した。結局名古屋参加者は10人に満たない数のようだ。
まだ、就寝時間帯ということで、車内挨拶もなく、静かな車内である。カーテンが閉まっているのでどこを走っているか正確には分からないが、隙間から景色を見ていると、名古屋西インターから東名阪自動車道に入ったようだ。
単調なバスのリズムに、朝早いこともあって、おのやんは次第に意識が無くなっていった。

おはようございます、まもなく道の駅「針テラス」です。トイレ休憩です」
7時50分、アナウンスがあり、目が覚めた。気がつくと、名阪国道を走っていたバスは、一旦道を外れ、道の駅「針テラス」に到着するところであった。

ここで、喉の痛みを感じ、それを押さえるため、ペットボトルのお茶を買い込む。かなり痛いところを見ると、
いびきという騒音を寝ている間に撒き散らしていたのだろう。

バスは程なく出発し、主催者側から挨拶があった。ここで今回の参加者が少なくなり、日程的に厳しくなったことについてのお詫びと、大阪参加者を乗せたところで詳しい案内をする旨の説明があった。

その後「では、時間があるからビデオでもご覧ください」と説明の後、流れたビデオは映画などではなく、
バスのプロモーションビデオだった。
いすゞ「GALA(バスの車名)」のビデオが延々と流れる。客室や運転席の快適性や、地球環境への配慮などを訴える内容や、グレードごとの違いなどを説明しているビデオである。
一般の車のプロモーションビデオなら見たことがあるが、バスのビデオなんて始めてだった。それも1本や2本ではない。次から次へと流れるのだ。最後にはメイキングオブプロモーションビデオなんてのも流れる始末。
う〜ん、さすがに濃ゆいツアーだ。個人的には三菱ふそうバスのビデオを見たかったのであるが、乗車しているバスがいすゞGALAだったので、いすゞのビデオばかりだった。

そしてバスは西名阪自動車道に入った。インター入り口で気がついたのであるが、このバスはETC装着車だった。ノンストップで通過していく。バスでETCは始めてだった。

大阪市内を通り、大阪駅前で大阪参加者を乗せてバスは神戸に向かった。

おのやんの横に座った方は、色々な試乗によく出かけている方で、一畑電鉄(島根)や豊橋鉄道路面電車線(愛知)など参加されたようだが、バスは初めてらしい。

途中で参加者の簡単な自己紹介を行ったが、大型二種所持者もいれば、普通免許しか所持していない者もあった。が、共通していたのは、
「一度バスを運転してみたい」ということである。

ここで、添乗員から「バスのブレーキはエアブレーキなので、
かなり難しいです」と脅しにも似た説明があった。

以前おのやんが借りたマイクロバスはブレーキは普通自動車と同じ感覚で運転できた。

今回運転するバスは、実際、営業に使われたことのあるバスで、ブレーキ感覚も大型トラックと同じような難しさがあるとのこと。楽しみであったが、少し緊張もしていた。

程なくして、今回の会場である、神戸セーリングスクールに到着した。博覧会が開催されていた当時とは打って変わって、静かな町並みになっていた。この練習場から、神戸タワーを望むことが出来た。
バスのドアが開き、用意されていた3台の教習者におのやんを含めた参加者は分乗した。おのやんの乗ったバスにはおのやんを含めて8人の参加者+教官がいた。と言うことは、おのやんが運転するときは乗客は教官を含めて8人ということである。
今回おのやんが運転したバスと車内の様子

前回マイクロバスをレンタルしたときは、乗客は一緒に行ったOさん1人だけだった。
今回は8人である。しかも、おのやんの順番は一番最後である。かなり緊張するシチュエーションだ
全員が乗り込み、最初の参加者が運転席に座る。いよいよスタートだ